サイレント・コミュニケーション

大きな紙にみんなで絵を描きましょう。ルールはたった1つ。”話をしてはいけません”

2人か3人で向かい合い、1つの画用紙に共同で絵を描くワークショップです。

そのとき、1つだけルールを決めます。それは「会話をしないこと」

ふだん、人とのコミュニケーションは言葉をとおして行うことが多いですが、このワークショップでは言葉を禁止し、アートによるコミュニケーションを体験してもらいます。

ワークショップの醍醐味

グループにもよりますが、会話を禁止すると、はじめはお互いの動向を探りあいながら遠慮がちに絵を描き始めます。それがだんだん描き方が大きくなり、緊張もゆるまってきて、それぞれの世界に入っていきます。

おもしろいのは、自分の領域と、相手の領域がぶつかる瞬間。ちょっとした緊張が走った後、そこから2人のアートが始まります。お互いの絵にちょっかいを出したり、相手の描いている絵にあわせた絵を描いてみたり。そして、段々と1枚の絵として完成していきます。

グループの中にグイグイ引っぱっていく豪快な方がいると、はじめからみんなで描く形になりやすいです。また、2人の境界線で真っ二つに分かれる絵になることもあります。

取り組むだけでも楽しい、人気のワークショップです。描いた後はみんなでタイトルをつけて、誰かに持って帰ってもらいましょう。

ワークショップの意味としては、グループ内での立ち位置や自分の役割、「話ができない」というストレス下で表出する、人と接するときの傾向などを見ることができます。

道具
画用紙:特大1枚
画材:色えんぴつ、クレヨン、パステルなど
人数
2~3人
時間
20~30分

参考文献・おすすめの本

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高橋依子、牧瀬英幹/描画療法のさまざまな実践について、章ごとに1つずつ徹底解説。適応の見極め、導入の手順、描画の解釈などの基本的な進め方、細かい工夫や注意点などを、事例をあげながら具体的・実践的に説明する。