バウムテスト(樹木画テスト)
バウムテストとは
バウムテストとは、スイス人のKoch,K.(コッホ)が発案した投影描画テストです。
よく似たテストに、アメリカのBuck,J.K.(バック)が発表した「家-木-人物画テスト」(H-T-Pテスト)があります。
日本では1960年頃から広まりました。
熟練したセラピストによるバウムテストは、診断的側面だけでなく、治癒的な効果もあります。
バウムテストでわかること
木は地に足をつけ、空に向かって伸びていきます。
木の姿や成長の仕方が人間に似ていたり、木が集まって森を形成する仕組みが人間社会に似ていることから、木の絵には描き手自身のイメージが投影されやすく、バウムテストには描き手の人格や無意識的な感情の一部が表れます。
また、木の絵は人物画ほど直接的なテーマではないため、自己防衛の影響も受けにくい描画テストです。
バウムテストのやり方
バウムテストに必要な道具
・A4サイズの画用紙
・鉛筆
・消しゴム
バウムテストの導入
「実のなる木を描いてください」
「リンゴの木を描いてください」
「1本の木を描いてください」
など。
シンプルで初心者でも取り組みやすい描画テストですが、シンプルな分、セラピストの受容・共感能力が大きく反映されます。
バウムテストの解釈:読み解き
全体的な印象を大切にし、だんだんと細かいところを見ていきます。
※バウムテストの解釈は一例です
木の大きさ=自信の大きさ
大きな木…自己中心的
小さな木…不安がある、萎縮している
筆圧の強さ=エネルギーの強さ
強い筆圧…活発で積極的、自己主張が強い
弱い筆圧…不安がある、消極的
筆圧の強い箇所と弱い箇所がある…情緒不安定、衝動的
その他の注目するところ
・全体の中での木の位置
・木を描く順番(樹冠、幹、地面)
・幹や枝の太さ、伸び方
・木の描き方(ていねいさ、省略の度合い、写実的かマンガチックかなど)
『投影描画法ハンドブック』(有明双書)によると
幹には「本来持つ基本的性格や生命力」
枝には「情緒や知性の発達度、成熟度、他人との関わり」
葉には「気分や感情の動き、自己表現、他人との関わり」
基部には「生命力」
地面には「親子など身近な人との関係」
が投影されるといいます。
また、地平線の欠如は「自信のなさ」を表していたり、ウロが描かれたときは「心的外傷体験のサイン」と捉え、ウロの位置によって心的外傷体験の時期を測定する解釈法もあります。
参考文献
樹木画テスト(高橋雅春、高橋依子)
描画テスト(高橋依子)
投影描画法ハンドブック(赤坂澄香)
バウムテストの発展形
・2枚法
・3枚法「夢の木」
・未来の木
・彩色樹木画、色彩バウムテスト
・HTPテスト
など
参考文献・おすすめの本
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